ひび割れ補修工事(低圧注入工法)

低圧注入工法とは、圧縮空気・ゴム・バネ等の復元力を利用することで、ひび割れ幅0.2~1.0mm程度までのひび割れの内部に樹脂系、セメント系、ポリマーセメント系の材料を低圧で連続して注入し補修する工法です。
この工法はコンクリートの耐久性、および防水性の向上のために利用されます。

低圧注入法の特徴

注入材料にはエポキシ樹脂やアクリル樹脂などの樹脂系、セメント及びポリマーセメント系があり、各材料の特徴は次の通りとなっています。

樹脂系

①材料の品質がJISで規定されています
②材料の種類が豊富です
③コンクリートやモルタルとの接着性に優れています
④躯体の一体化を図ることができます
⑤注入箇所が湿潤状態の場合、接着不良を起こす可能性があります

セメント及びポリマーセメント系

①有機溶剤を使用しない為、作業環境に優れています
②鉄筋に対する防錆効果があります
③線形張率がコンクリートに近いものとなります
④湿潤箇所に適用できます
⑤注入箇所には、注入材を注入する前に水などを注入し、湿潤状態にする必要があります

ひび割れ補修工事(充てん工法)

充てん工法はひび割れが0.5~1.0mm程度以上と比較的大きく、かつ、鋼材に腐食が生じていない場合の補修に適した工法です。
ひび割れに沿ってU字形(またはV字形)にコンクリートをカットし、その部分に補修材を充てんする工法です。
この工法は、コンクリートの耐久性及び防水性の向上を図ることができます

充てん工法の特徴

ひび割れ幅が比較的大きな(0.5~1.0mm程度以上)場合に、低圧注入工法では材料の使用量が膨大となる可能性があるため、充てん工法が適しています。